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【おすすめ書籍】彼は醜く威厳もなく・・・すべてを受け入れる遠藤周作の「深い河」で愛を知る!

      2017/04/10

生と死、すべてをつつむガンジス

 

 

遠藤周作の「深い河(ディープ・リバー)」はかなり宗教色の濃い作品ではあるが、ぼくのような無宗教人間でも読めてしまう作品だ。

 

ぼくはこの小説に出てくる登場人物がどれも不完全で、欠陥だらけでとても好きなのだ(他人の迷惑を顧みない三條夫婦を含めて)

 

何かを求めてインドへ

インドへのツアーに参加する登場人物はそれぞれが心に大きな傷、もしくは大きな空洞を持った人物で、それぞれがなぜインドへ向かうことになったのかが初めに描かれる。

 

磯辺の場合

磯辺、成瀬美津子、沼田、木口、そして大津はいずれも水に関する名前になっているのが面白い。(木口だけなぜ違うのか知ってる人がいたら教えてください)

第1章は磯辺という平凡なサラリーマンが妻と死別するエピソードから始まるのだが、妻に先立たれた日常の雑事などは何も出来ない男を見ると、他人事ではないような気がして胸が苦しい。

そして妻の「必ず生まれ変わるから、探して」という最後の言葉に動かされ、インドへ旅立つ

 

美津子の場合

大津と美津子のエピソードが作品の中でも特に中心的なモチーフになっている。

愛することが出来ない女。

 

大学生の時に敬虔なクリスチャンである大津を玉ねぎ(神様のこと)から奪おうとして失敗してから、愚鈍で魅力の無い大津を追うことになってしまう。

 

その他、九官鳥に命を救われた(と思っている)沼田はその恩返しに、戦争で地獄を見た木口は戦友たちの供養に、そして大津は神父を目指すクリスチャンでありながら、インドにたどり着いてしまった・・・

 

ガンジスはすべての人のために

それぞれの想いでガンジスの流れを見つめる登場人物たち。

求めているものは見つかったのだろうか?

そして衝撃のラスト・・・

 

美津子の「ガンジスはヒンドゥー教徒のためだけでなく、すべての人のためにある」という言葉で、ぼくも死ぬまでにガンジスに行ってみたいと思った。

 

何度も読んだ作品

このコーナーにはぼくが何度も読むほど好きな書籍だけを紹介しようと思う。

繰り返し読むくらいじゃないと、本当に好きな本とは言えないからね。

だって、好きな映画や音楽も一度味わって終わりじゃなくて、何度も何度も聴いたり観たりするだろう?

 

文学も同じだ。

 

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