クリップはレゴブロックのようなもの
トミー
よし、じゃあ今日はオーディオクリップを使ってトラックを作ってみよう!
ルーシー
オーディオクリップ?
トミー
Liveで曲を作る時の最小の単位をクリップっていうんだ。ルーシーはレゴブロックで遊んだことあるかい?レゴの1つのブロックがクリップみたいなもんだよ。
ルーシー
そうなんだ、じゃあクリップをいっぱい組み合わせて曲を作るのね。
トミー
そのとおり。クリップには2種類あって、オーディオクリップとMIDIクリップがあるんだけど、まずはオーディオクリップからはじめようか。じゃあLiveを起動して。
ルーシー
起動したわ。
トラックの中にクリップがある
トミー
開いた時に、ほら、1 MIDI、2 MIDI、1 Audio、2 Audioって4本並んでるでしょ?この1本1本はトラックっていうんだけど、大抵は楽器やパート単位で分けるんだ。ベースのトラック、ボーカルのトラック、シンセのトラック・・・みたいな感じでね。
ルーシー
トラックの中に小さな箱がいっぱいあるわね。
トミー
そう、それがさっき話したクリップを入れるスロット、クリップスロットだよ。オーディオクリップはオーディオトラックの中で再生されるものなんだ。
ルーシー
1つのトラックの中にいっぱいクリップスロットがあるけど、同時にいくつも再生できるの?
トミー
1つのトラックの中で複数のクリップが同時に再生されることはないよ。同時に再生できるのは別のトラックの中のクリップだ。
ルーシー
わかったわ。
トミー
よし、じゃあ左のブラウザの[CATEGORIES]の中からドラムのサンプルパターンを探してみよう。[Samples]をクリックして、ドラムのサンプルパータンをオーディオクリップにしたいから、上の検索窓でbreakとかbeatって入れてみよう。
ルーシー
breakって入れたらbreakって名前に付いてるのだけになったわ。
トミー
クリックしたらプレビューで聴けるから、好きなやつが決まったら 3 Audioって書いてあるオーディオトラックの中の一番上のクリップスロットにドラッグ&ドロップしてみて。
ルーシー
Break Booty-130bpmっていうのがカッコイイわね。あ、クリップに色がついたわ!
トミー
そうなんだ、新しいクリップを作るとLiveがランダムに色を付けてくれるんだ。それとクリップの左に右向きの三角形ができただろう?このランチボタンをクリックするとそのクリップが再生されるよ。
ルーシー
ほんとだ! あれ、ずっと鳴ってるわね。どうやって止めるの?
トミー
そうデフォルトではクリップはループ再生されるんだ。例のごとく止める方法もいろいろあるよ。
- 同じトラック内の空のクリップの小さな四角い停止ボタンを押す。
- トラックステータスが表示されている部分の停止ボタンを押す。
- 一番右のマスタートラックにある停止ボタン(全クリップ停止ボタン)を押す。
- キーボードの[スペースキー]を押す。
ルーシー
じゃあ2番めのやつで止めるわね。
ルーシー
これの左の四角い部分ね。何か数字と丸いグラフみたいなのもあるわね。
トミー
うん、左の数字が何回ループで繰り返されているかのカウント。グラフみたいなのはクリップの再生をヴィジュアル化したものだよ。そして右の数字がそのクリップに4部音符がいくつ含まれているか。何カウント分の長さのクリップかってことだね。
ルーシー
わかったわ。なんの役に立つのかわわかんないけど、とりあえず覚えておくわww
シンクロ率100%
トミー
まあ、のちのちわかってくるよ。じゃあもう1つオーディオクリップを作ってみようか。いま追加したクリップを再生しながら、またブラウザで他の音源をクリックしてみて。
ルーシー
すごい!重なって鳴ってるわ。しかも、ちゃんと合ってる感じね。
トミー
そうなんだ、それがLiveのスゴイところなんだ。ちゃんとテンポやビートの位置を合わせてくれる。もしなにも再生していなければ、ブラウザで選択した音源はオリジナルのテンポでプレビューされるよ。
ルーシー
Liveって賢くて気が利くわね!
トミー
じゃあ2つ目の音源を4 Audioトラックの一番上のクリップスロットにドラッグして入れよう。入れたらそれも再生ボタンを押してみよう。
ルーシー
2つ目のオーディオクリップの再生を押してもしばらく点滅してすぐには再生されないわね。ちゃんと1つ目のクリップと合わせるように待ってから再生される感じね。
トミー
そのとおり。ルーシー、ほら見て、一番右のMasterのメーターが赤くなってるよ。
ルーシー
ほんとだ。これはどういうこと?
トミー
今2つオーディオクリップをトラックに入れて、今2つのオーディオトラックが鳴ってるだろ?その音量の合計が限界を超えてるってことなんだ。「クリップする」って言うんだけど。限界を超えた部分は切って捨てられる(クリップされる)っていう意味なんだ。
ルーシー
オーディオクリップとかのクリップと同じでややこしいわねww
トミー
そうなんだ、ギターのエフェクターのオーバードライブとかディストーションなんかはワザと過入力を作り出して歪ませてるんだけど、普通はよろしくない状態だから、メーターが赤くならないように調整しないとね。
ルーシー
わかったわ、どうすればいいの?どうせまたいくつか方法があるんでしょ?ww
トミー
パターンがわかってきたね。Liveではたいてい1つのことをするのにいくつも方法があるよ。この場合は・・・
- マスタートラックのフェーダーをメーターがグリーンになるまで下げる。
- 2つのトラックのフェーダーをそれぞれ下げる、もしくはどちらかだけ下げる。
- クリップのゲインを下げる。
ルーシー
フェーダーっていうのはこの横向きの三角のことね。じゃあマスターのフェーダーを下げるわ。
トミー
OK クリップのゲインっていうのはまた後で説明するね。
シンクロの調整
テンポ
トミー
今2つのオーディオトラックの中の2つのクリップはちゃんとシンクロしてるんだけど、このシンクロの仕方を調整することもできるんだ。画面左上を見てみて。
トミー
この130っていうのが曲のテンポを表してるんだ。これはBPM(Beats Per Minute)って言って、1分間に何拍(カウント)あるかってこと。当然1分間に90拍の曲と130拍の曲だったら、130の方が速く数えないと130数えられないよね。
ルーシー
新しく追加したクリップは自動的にここで設定されてるテンポに合わせられるってことね。
トミー
その通り、そしていつでも変更することができるよ。試しに変更してみよう。マウスでクリックしたまま上下にドラッグしてもいいし、キーボードの上下カーソルキーを使ってもいいし、直接数字を打ち込んでもいい。
ルーシー
簡単にテンポが変更できるのね。とりあえず元の130にしておくわ。
グローバルクオンタイズ
トミー
次は1 Barって書いてあるところに注目だ。これはグローバルクオンタイズっていってクリップ間のリズムのズレを防ぐためのものなんだ。
ルーシー
リズムのズレ?
トミー
さっき1つ目のクリップを再生中に2つ目のクリップを再生した時、しばらく2つ目は点滅して待っていただろ?これは1 Bar(1小節)単位で調整が働くって設定で、1つ目のクリップが次の小節の頭にくるタイミングを待って、2つ目が再生されるってことなんだ。
ルーシー
ちょっとむずかしいけど、なんとなく分かったわ。ちゃんと調整してくれるってことね。
トミー
そう、面白いのはこの設定を1/4や1/8っていうふうに、1小節より小さい単位で設定した時。これは4分音符や8分音符単位ってことなんだけど、1小節待たずにこの音符単位でシンクロするから、重ね方によってはすごく面白いリズムが生まれたりするんだよ。
ルーシー
ほんとだ、おもしろい!ズレてるんだけど、ちゃんとズレてるって感じね。
トミー
まあ普通は1 Barにしておいていいよ。じゃあ今日はここまでにしょうか。[cmd+s]かメニューの[ファイル > Liveセットを保存]で保存しておいてね。
ルーシー
今日は知らない言葉が結構出てきたから、しっかり復習して覚えておかなくっちゃ!
今日の復習
- クリップというブロックがLiveの曲の最小単位。
- クリップにはオーディオクリップとMIDIクリップがある。
- トラックにクリップを作っていく。
- ボリュームのメーターが赤くならないように注意する。
- Liveは設定にしたがってクリップをシンクロして再生してくれる。