みんな元気か、トミー(@TomoyaTommy1203)だ。
1966年8月22日にニューヨークで行われた記者会見。
といっても何かビートルズ側から発表するってわけじゃなく、記者が用意してきた質問にビートルズが答えるというインタビュー形式だ。
ラバー・ソウル、リボルバーを発表したビートルズは日本武道館での来日コンサートも終え、この1週間後の8月29日、サンフランシスコのキャンドルスティックパークでの演奏を最後にコンサート活動自体を中止する。
1964年の初渡米時とは違い、ジョンのキリスト発言の後ということもあって、アメリカのメディアからは、「もう落ち目じゃないの?」的な厳しい質問も出たりしている。
アメリカのマスコミもファンも、まさかこれが最後のツアーで約1年後にSGT.Pepper’s Lonely Hearts Club Bandという怪物アルバムを生み出すとはだれも想像していなかったに違いない。
このインタビューを見ると、基本的にポールがスポークスマンで答えている、ジョンはもうほとんどくだらない記者の質問なんか相手にしてないって感じだけど、やっぱり面白い。ジョージは時に哲学的に、時に皮肉たっぷりに答えている。リンゴはほとんど発言していない。
奥にはブライアン・エプスタインの姿も見える。
ではここからがインタビューの訳です。発言に躍動感を与えるため、関西弁となっていますがご了承ください(笑)
【ビートルズ インタビュー】The Beatles Interview at Warwick Hotel 1966
キリスト発言ツッコまれる
記者
ジョンに質問。君のキリスト教に関する発言が大炎上してるって報告があるんだけど。それがアメリカ社会の未熟さを揶揄してるとも言われてるけど、そんな風に考えてるの?
ジョン
言われてるて、誰にや?
記者
(アメリカから見て)海外の報道機関だよ。
ジョン
せやから・・・そんなんただの意見やん。以上。ただの意見をたいそうに言うてるだけ。
ポール
オレが思うんは・・・アメリカは人も多い分、偏屈っちゅうかガンコもんも多いし・・
ジョン
スコットランド的なw?
ポール
ここではロシアのガンコもんよりアメリカのガンコもんの声を聞くことが多いってことやろ。
会場:(笑)
ディランとビートルズ
(動画では切れてるが)
記者
これは全員への質問。最近ボブディラン的な方向に行ってるように見えるんだけど。
君たちはロックンロールで有名になって、今はフォークロック寄りになってるような。それについてはどう?
君たちはロックンロールで有名になって、今はフォークロック寄りになってるような。それについてはどう?
リンゴ
フォークロックてw
ポール
フォークロックとはちゃうで、実際。他でも言われたことあるけど。
記者
たとえば、エリナーリグビーとか。
ポール
ちゃうで、つまりな・・・でもディランの話はある意味正しくて、オレらはより歌の中身に凝り出してるねん。逆にディランの方はロックンロールに近寄ってきてるやろ?
だからディランとオレらが同じ方向性に動いてるってだけのことちゃうかな。
だからディランとオレらが同じ方向性に動いてるってだけのことちゃうかな。
ポール農場を買う
記者
ポール、最近スコットランドに農場を買ったよね?アメリカで何か買う予定ある?
ポール
いや、あの農場はメッチャ安かったし買(こ)うてん。農場は前から欲しかったしな。きれいな農場でな。
イエローサブマリンはただの子供の歌
記者
ジョンとポールに質問だけど、「イエローサブマリン」っていう言葉に何か特別な意味はある?
ポール
いや・・特にないけど。幸せな場所の話。童謡を書こうって思ってな、それが最初のアイデアで。だから、詞に書いてある意味以上のなんかないで。「スパーキー」みたいな感じや。
ジョン
スパーキー?
ポール
そう、スパーキーw
ちょっと大人になったビートルズ
記者
2年前君たちと一緒にいた時より、静かで控えめな感じがするけど、大人になったってことかな?
ジョン
たぶんそうちゃうかな、毎年、大人になってるわ。
会場:(笑)
ポール
年取ったな。
ミスターウィルソンの政策と女性記者のノロケ
記者
ウイルソン首相の緊縮政策がロックンロール帝国ロンドンに与える影響は大きいと思いますが、もしポンドが下落したらあなたたちにも経済的影響はある?
ジョン
どうやろなあ。だいたいアイツが何したんかまだ知らんしな。(イギリスを)離れてたし。まあ影響があっても、べつにええんちゃう。
記者
あなたたちはほんとカワイイわ。
ポール
(照れて)ありがとう。
会場:(笑)
記者
ちょっと個人的な質問いいかしら?海外へ行く時は専用の美容師さんを連れて行ったりするの?
ポール
いいや。
記者
どこにいても、散髪できる?
リンゴ
いや・・・たいがい家で切ってるわ。
記者
グラマーな(魅力的な)女の子の定義は?
リンゴ
グラマー?
ジョン
グラマーは好きちゃうなあ。
ポール
はっきり定義はできひんのちゃうかな・・・うーん、ただ、そうかそうじゃないか。
ジョン
グラマー
ポール
グラマー
カツラ疑惑
記者
最近のニューヨークプレスやラジオでの噂で、君たちがロンドンの超上流クラブに入るために「カツラ」をかぶってるらしいということなんだけど、それは本当?ウソ?カツラをかぶってるの?
ジョージ
いや
ポール
マジで信じてんの?そんなんウソやん。
記者
2年前よりも、なんか衣装っぽく見えるんだけど。
ポール
ありがとう、アホ。
会場:(笑)
ポール
そんな噂デタラメやで、でもとりあえずありがとうて言うとくわw
会場:(笑)
ジョージ、シタールは習ってない
記者
ジョージに質問。今シタールを習ってるよね。今後他の楽器を習う予定は?
ジョージ
シタールは習ってへん。ラビ・シャンカールも「習って」へん、ただ35年間プレイしてはるだけなんや。
会場:(拍手)
ジョン
ヒュー!
記者
ジョンとポールに質問。ラバー・ソウルとリボルバーには何か共通のテーマがあるの?
ポール
テーマ?いや・・特には・・・(ジョンに)テーマってあるん?
ジョン
ないで。まあ同じ時期に作ったってことで、なんか共通してるモンが感じられるかもしれんけどな。ただそれだけのことやな。
記者
ジージに質問。インド音楽は今後ロックやポップスにより影響を与えると思う?
ジョージ
うーん・・・わからんけど、個人的にはインド文化の影響が広がってほしいとはおもてるよ、いろんな音楽にな。インド音楽はそれだけの価値があるし、もっとポピュラーになって認められて欲しいなあ。
意地悪な質問
記者
これはみんなに質問。こんな報道機関のインタビューとか、叫ぶファンの女の子、群衆、財布の中身を分厚くするために、全てを投げ打つこと、こんな気違い沙汰に疲れることはない?
ポール
(笑)
ジョン
そんな時は分厚い財布の中身で、分厚い休暇を取るんや。
会場:(笑)
ジョン
で休暇に飽きたらまた戻ってきて、インタビューをやる、と
会場:(笑)
記者
これもみんなに質問。今回の訪米時のお出迎えはどう?人数は増えてた?減ってた?同じくらい?
ポール
実際の人数ってわからんけど・・・増えてるって聞いたけど。
ジョン
そんなんわからんやろ。
ポール
ブライアン(エプスタイン)が知ってるんちゃう。彼に聞いて。
ジョージ
前回より多くの人に演奏を聴いてもらってるしな。
再びディランの話
記者
君たちとディランが同じ方向に向かってるって言ったけど。君たちの音楽はどこに向かってるのかな?
ジョン
よく見とけw
会場:(笑)
ポール
うーん、わからんけど・・・いろんなことが、前に進んでる。「どこへ」向かうっていうのはわからんのやけど、とにかく前進してるってことや。オレらはがんばって進化して、ディランもディランの中での前進をしてるはずや。たとえそれがハタからは後退に見えたとしてもな。
記者
誰かソロレコーディングの予定は?
ジョン
自宅でやってるで。
ジョージ
実際やってるんちゃう。
ジョン
うん、やってるな。
ジョージ
エリナー・リグビーはポールのソロやん。
ジョン
オレらその間、茶しばいてただけやもんなw
会場:(笑)
記者
いや、そういうんじゃなくて、完全なソロ作品てことだよ。
ポール
ソロ名義でレコーディングしてとかはないわ。そういう意味やろ?
books? blues?
記者
ジョン、最近なにかステキな本は書いた?
ジョン
え?ゴメン、なんて?
ポール
ブルース?(booksを聞き間違えて)
ジョン
いや、書いてない。
ポール
(ジョンに)ブルース?
ジョン
いや、本やて。
ポール
ああ、本ね。
ジョン
本もブルースもどっちも最近書いてないわw
会場:(笑)
ベトナムについて
記者
2つ質問。1つはポールになんだけど。昨晩飛行機から降りてから気分が悪くなったって配信ニュース読んだんだけど、どうしたの?飛行機酔いかな?
ポール
ああ、たぶんそうやな。今回のツアーではあんまり体調良くなくてな。ちょっと気分悪い。そんな感じ。病気やなw
会場:(笑)
記者
誰だったかな、ジョージかな。アメリカではベトナムについてコメントできなくて、イギリスではできる。そのことについてもうちょっとききたいんだけど。
ジョージ
オレはそんなこと言うてへんで。他の誰かかな。
ポール
オレやな。オレらは、せやし・・・イギリスではジョンの宗教についての発言みたいなことも言えるしな。誤解されてアメリカでの大騒ぎみたいになることもないし。わかるやろ。たとえばあんたが、そんなデリケートな感じのことをイギリスで発言するとしてもな、イギリス人はもうちょっと聞いてくれるで、アメリカよりな。アメリカではその発言を取り上げて利用して、完全にあんたを攻撃する材料にする人がおるな。良心の呵責ちゅうのがない人な。