みんな元気か、トミー(@TomoyaTommy1203)だ。
僕は中学生の時に家にあったビートルズのレコードを聴き始め、その後ビートルズ周辺のアーティスト、ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトン、ビーチ・ボーイズ・・・というようにバンド、アーティストの関連でもってリスナーとしての遍歴を歩んできた。
このように関連アーティストや同時代のアーティストで掘り進んでいく人は多いと思う。
しかし、当然アルバム制作に携わっているのは、実際に演奏したり歌ったりするミュージシャンだけじゃないよね。
現場の全てを仕切っているのはプロディーサーであるし、収録されるサウンド自体に大きく影響を与えるのはレコーディング・エンジニアであり、エンジニアがミキシングも担当することも多い。
日本ではミュージシャン出身のプロディーサーが目につくのに対し、海外ではエンジニア出身のプロディーサーが多い気がする。
レコード会社の昇進ラインも、エンジニアを経て録音・サウンドメイクの全てを学んでから、プロディーサーという道筋なのだろう。
プロディーサーは映画で言えば監督なので、その名前が大きく前面に出ていることも少なくないね。
例えば、ビートルズのプロディーサーであるジョージ・マーティンがプロディースしたジェフ・ベックのブロウ・バイ・ブロウとかね。
しかし、サウンドそのもののメイキングでいうと、もしかしたらプロディーサーよりもレコーディング・エンジニアの方がそのテイストが色濃く出ているのかもしれない。
アーティストは全然バラバラで、好きなアルバムを並べてみると、実はエンジニアが同じだったというのはよくある(ないか?)話なのである。
また、同じアーティストのアルバムの中でも、
「ファーストからこのアルバムまでは好きなんだけど、それ以降はちょっとなあ・・・」
っていう場合、そこでエンジニアが変わっていたりする可能性も高い。
グリン・ジョンズ縛り
ロックアルバムのミュージシャンでもプロディーサーでもなく、エンジニアしばりで作品を追うというのも面白いんじゃないかなということで、第1回はグリン・ジョンズ縛りでいってみよう。
ローリング・ストーンズ黄金期
グリン・ジョンズといえばなんと言ってもローリング・ストーンズの60年代後半から70年代初期にかけての、重要な黄金期を支えたエンジニアという印象が強い。
アルバムで言うと、
- ベガーズ・バンケット
- レット・イット・ブリード
- ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト
- スティッキー・フィンガーズ
- メインストリートのならず者
僕の中ではバンケットかスティッキーフィンガーズがストーンズの最高傑作だ。
レッド・ツェッペリン I
記念すべきツェッペリンのファーストアルバム!
ジミー・ペイジ曰く、
ファーストに全てがあり、後はそれをどう発展させていくかだけだった。
ボンゾの強烈なドラムサウンドはマイク3本のみで録られている。
あまり近接させないバスドラムに1本、スネア側のオーバーヘッド1本、フロアタム側のオーバーヘッド1本の計3本で録られるグリンジョンズ・テクニックはエンジニアの中では伝説的なテクニックだ。
グリンのこのアルバムへの貢献は大きかった(と少なくとも本人は思っていた)ようで、プロデューサーとして名前をクレジットするようにジミーペイジに要求したが却下された(笑)
やれ最高傑作はセカンドだ、聖なる館だプレゼンスだ・・・
なんやかんや言うてもツェッペリンはファーストなのである。
レット・イット・ビー
ビートルズのプロジェクト中、最も不遇で悲しいこのアルバムのエンジニアであり、幻と消えたアルバムGet Backの編集を行ったのも彼。
もはや関係修復不能のビートルズを目の当たりにした歴史の証人だね。
ちなみにアビーロードに収録されているI Want Youの録音もグリンが担当している。
フーズ・ネクスト
グリンはポイントポイントで様々なバンドの傑作アルバムに関わっているね。
フーが初めてチャート1位を獲得し、その人気を不動のものした傑作だ。
他にも傑作アルバムがごろごろ
他にもフェイセズの「馬の耳に念仏」、ポールマッカートニー&ウイングスの「レッド・ローズ・スピードウェイ」、クラプトンの「スローハンド」などなど・・・書ききれないくらい傑作アルバムをレコーディングしている。
このように好きなアルバムを選んで、そのレコーディング・エンジニアに注目してみてはどうだろうか?
自分の好みに合った未聴アルバムが見つかるかもね!
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