みんな元気か、トミーだ。
ぼくがBrian Eno(ブライアン・イーノ)という名前に初めて耳にしたのは、一応グラムロックバンドという括りに入れられていた頃のロキシーミュージックのメンバーとしてだった。
ビートルズ、ストーンズといったロックバンドに親しんできたぼくにとって、ロキシーはロックバンドとしてあまりに異彩を放った存在だった。
というか無茶苦茶だった。
ルックスもぶっ飛んだメンバーの中で特にキテレツな存在感を示していたのが彼、ブライアン・イーノだった。
これはセカンドアルバム For Your Pleasure の中ジャケ
「なんでメンバー全員ギター持ってんねん!」
というツッコミはさておき、一番左の男がイーノだ。
もうすでにこの時、頭髪は若干キているのだが、悪魔だか天使だかわからないその魔人のような神々しさに10代のぼくの心はトキメイたのだった。
そしてしばらく経って、イーノの存在も忘れていた頃にDavid Bowie(デイビッド・ボウイ)のベルリン三部作の共同制作者としてその名前を聞いた。
ボウイのLowは大好きなアルバムだったので、そこからロキシーではないイーノ自身の作品にも興味を持つようになった。
ロキシーのセカンド・アルバムの後、イーノはグループを脱退・・・なのかリーダーのブライアン・フェリーにクビにされたのかは知らないが、ソロ活動を開始する。
アンビエントのススメ
今日はそのブライアン・イーノのアルバムからアンビエント作品を何枚か紹介したい。
アンビエント(環境音楽)はイーノが提唱した音楽なのだから、イーノのアルバムが入門にして究極のアンビエント・ミュージックなのだ。
アンビエント=環境音楽
と言ってしまうと若干ニュアンスが違うような気がするのだが、アンビエントにピッタリ当たる日本語がないのでアンビエントとしか言いようがない。
流れているのだがそんなに気にしなくてもいい、常に聴いても聴いていなくてもいい音楽と言っていいかもしれない(笑)
だがBGMと呼ぶにはアートだし、ミュージック・コンクレートともまた違う。
部屋にある照明や家具は部屋に溶け込んでいて、常に意識しているわけではないよね。
イーノのアンビエントもそんな感じで、インテリアのようにそこに存在する音楽だ。
Music for Airports
空港のための音楽と題され、実際にNYの空港でかけられたこともあるこの作品。
空港のアナウンスや会話の邪魔にならないように作られている。
アンビエントという名が冠された初めての作品でもあり、仕事中、睡眠前、起床時、あらゆるシチュエーションに馴染むこと間違いなしだ。
Music for Films
映画のための音楽
Music for Filmsに入り切らなかった曲はMore Music for FilmsにMusic for Films2の曲と一緒にまとめられている。
これはできれば部屋でなく、通勤や通学のお供にし、ぜひヘッドホンで聴きながら街を歩いて欲しい。
映画のワンシーンに自分が放り込まれたかのような錯覚に陥ってしまうのだ。
Apollo: Atmospheres & Soundtracks
宇宙空間は空気がないので音も伝わらない、無音の世界・・・
もし仮に宇宙空間に音楽が流れるとしたら、このような音楽だろうと思わせる作品。
眠る前にイーノがあなたを宇宙へ連れて行ってくれるだろう。
Thursday Afternoon
なんと1時間ちょいの1曲のみの作品。
木曜の午後に聴くよう最適化されているので、決して金曜の午後や日曜の午後に聴いてはいけない(笑)
音を飾ろう
この他にもすばらしいイーノの作品は多いし、歌入りのアルバムももちろんある。
もしイーノの紡ぎ出す音が心地良いと感じたならば、あなたの部屋をさり気なく照らす間接照明のように、イーノの音を飾ってみてはどうだろうか。
ちなみに彼のフルネームは
Brian Peter George St. Jean le Baptiste de la Salle Eno
だそうだ。