みんな元気か、トミー(@TomoyaTommy1203)だ。
音楽好きの話のネタで「無人島へ持って行く1枚」というのはよく出る話ではある。
ここで
「なんやねんその1枚しか持って行ったらあかんシチュエーション!」
というツッコミは言いっこなしなのだ。
まあすべてのカテゴリーから1枚選べというのは至難の業なので、だんだんジャンルにつき1枚だとか、寝る前に聴く1枚だとか、ビートルズは別枠にしてくれだとかごちゃごちゃ言い始める。
今回の聴かずに死ねないアルバムは酒を飲みながら聴くという条件の1枚としたい。
まさかいい年した男が酒を飲みながら、ナントカKBよんじゅうなにがしの元気いっぱいのJ-POPを聴くわけにもいかない(いや、とてもよいアイドル・グループだと思うが)
うーん、酒を飲みながら・・・となると・・・
Chet Baker sings
チェット・ベイカーはトランペッターであるが、歌も歌う。
そして、特別歌がウマイというわけでもない。
しかしそこがまさに「酒を飲みながら」という条件を満たしているところなのである。
マイルス・デイヴィスやコルトレーンみたいに「聴け!」とグイグイくることもなく、実に酒の場になじんでくれるのである。
このチェット・ベイカー シングスというジャズ・ヴォーカルレコードにひとたび針を落とそうものなら(CDやポータブルプレイヤーなら針などないが)その場に酒がないなどという状況は決して許されない。
それくらいその場を退廃的かつリラックスした雰囲気で包み込む力があるレコードなのだ。
中性的なヴォーカル
不思議なのは彼のヴォーカルが非常に中性的に感じられるところだ。
飲みながら聴いているとハスキーな女性が歌っているようにも聞こえる。
それは音域がどうこうの話ではないように思う。
声で性別を間違うというのはなかなかないものである。ジャニス・ジョプリンを男性に間違うことも、ロバート・プラントを女性に間違うことなど決してない。
悲しきジャズマンの最期
酒、女、ドラッグに溺れ。最後はホテルの窓から謎の転落死という悲運を遂げたチェット・ベイカー・・・
今夜も彼の哀しくも優しい歌声で一杯やろうじゃないか。