みんな元気か、トミー(@TomoyaTommy1203)だ。
前回まででドミナントの話が終わったので、次はセカンダリードミナントの話に移ろう!
これは作曲においてもコード進行の引き出しを増やし、曲を彩ってくれる強力なものだ。
セカンダリー・ドミナントとは
その曲のキーの V7 コードが正統なドミナント(プライマリードミナント)とした場合の言葉で、
セカンダリー [secondary]・・・つまり二次的な、メインではないドミナントってことだね。
Cメジャーキーでプライマリードミナントは、5度のGコードだけだったね。
ではセカンダリードミナントはどうかというと、上のダイアトニックコードの2度、3度、6度、7度はマイナーコードになってるけど、これをメジャーコードに変えて、フラット7thの音を加えることで作られるんだ、つまり
Em → E7
Am → A7
Bm-5 → B7
となる
ダイアトニック・コードはそのキーのダイアトニックスケール(Cメジャーキーなら #もbもつかないドレミファソラシ)だけで作られるコードで、そのキーの純正コードといってもいい。
でもダイアトニック上のマイナーコードをメジャーコードにしてしまったら、3度の音が半音上がるということで、スケール外の音を使うことになるね。
このちょっとだけダイアトニックから外したコードを
別のキーのドミナントと見立てて使おう!
っていうのがセカンダリードミナントの基本的な考え方なんだ。
セカンダリ―ドミナントを使った進行
では実際にビートルズが曲の中で使っている例を見ていこう!
II7 (5度上のキーのV)
次のようなコード進行で考えてみよう
I → vi → ii → V
キーがCなら
C → Am → Dm → G
だね
これはニールセダカの Oh Carol なんかでも使われてるベーシックな循環コード
このDmをメジャーコードのD(D7)にしてみよう。
C → Am → D7 → G
すると何が起こるかというと、
Dmをマイナーたらしめている音は、3度の F音
これがメジャーになるということは、半音上がって、F# になる
この F#音 は次のコード Gコードのルート音である G と半音違いの音だね
これは以前にやった導音の働きをする音で、スケール外のF#はすごくGに進みたがるんだ。
そして、Dコードの出現は部分的にこの曲のキーが Gメジャーキーに転調しているとみなすことができる。
つまり、Cメジャーキーから5度上のGメジャーキーにおけるドミナントモーションが生まれるわけだ。
Gメジャーキーのドミナントモーション
そしてコードは続き、GからCへ戻るわけだけど
これは本来のCメジャーキーのドミナントモーションだ。
- セカンダリ―ドミナントを使ったドミナントモーション
- 本来のドミナントモーション
という緊張の緩和の連続でコード進行の推進力を高めている上に、ノンダイアトニック・コードを使うことで部分転調し、ちょっと変わった雰囲気を出すこともできるんだね。
Like Dreamers Do [0:45]
ポールは最初期の作曲段階ですでにセカンダリ―ドミナントのパワーを使いこなしている。
ビートルズとしてはボツにした曲だけど、Like Dreamers Do のブリッジの最後
セカンダリ―ドミナントによって曲のクライマックスを盛り上げているね
Oh, I’ll be there. yeah waiting for you…
コード進行は
Bmから直接ドミナントに行くんじゃなくて、セカンダリ―ドミナントのB7を挟むことで、ひとひねり加えているね。
このセカンダリ―ドミナントの話は、違うキーの V とか考えないといけないんで、頭が混乱するかもしれないけど^^;
できたらダイアトニックコード表なんかを見ながら確認するといいかもね。
では次回以降もいろいろなセカンダリ―ドミナントの使い方をビートルズの曲でみていこう!
今日のポイント
- ダイアトニックコードの ii、iii、vi、viiをメジャーコードにする。
- ii → V を II → V にすることで、部分転調&連続ドミナントモーション。
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