みんな元気か、トミー(@TomoyaTommy1203)だ。
伝説のヴィンテージ楽器や音響機材をデジタル技術でモデリング、ソフトウェアで再現するなんてことは、コンピューターの性能が低かった20年前には考えられないことだった。
できたとしてもそのクオリティはとても満足のいくものではなかっただろうね。
でも今や比較的安価で持てるPCでも、20年前とは比較にならないほど驚異的なパワーを備えている。
そして音響のプロが聴いても本物と区別することが難しいほど、モデリング技術も進歩しているという。
そんな日進月歩の技術革新の中で、世界中のミュージシャンにとってあこがれの的といってもいいロンドン、EMIレコーディングスタジオのヴィンテージ機材がモデリングされているのだ!
1969年にビートルズが彼らの実質ラストアルバム「アビーロード」をリリースする。
そのあまりに有名なアルバムジャケットが撮影されたスタジオ前の横断歩道は、現在でも裸足で渡る観光客が後を絶たない(笑)
アルバムのリリース以降、このEMIのスタジオはアビーロードスタジオと呼ばれるようになり、後に正式に改名された。
そのアビーロードスタジオで使用され、数々の名盤を生み出してきた機材(コンソール、テープマシン、ADT装置、イコライザー、プレートリバーブなど)をDAWで使えるソフトウェア・プラグインとして製作されたのが Waves Abbey Road Collection
もちろんアビーロードスタジオ全面協力だ。
コレクションは8つのプラグインのセットだけど、それぞれ単体でも購入可能。
今日はその中からAbbey Road Reverb Plates(プレートリバーブ)を紹介しよう。
4基のプレートリバーブ
写真は実際にアビーロードスタジオに設置されていた4基のプレート式リバーブ装置、EMT140だ。
当たり前だけど、でけー!
サイズは約2.4m×1.2m×0.3m
でも1957年にこの4つのドイツ製プレートリバーブが導入されるまでは、チャンバー(小部屋)方式のエコー装置だったから、これでもコンパクトになったんだね^^;
プラグインでもA, B, C, Dの4つから選択できるようになっているよ。
Dは入力、出力ともオール真空管アンプ、A、B、Cは入力はオール真空管で、出力にはソリッドステートと真空管のハイブリッドアンプとなっている。ノイズ低減のためだね。
チャンバーがリバーブのディケイタイム(減衰時間)固定だったのに対し、このEMT140はダンパーを調節することによってディケイを調整することができるようになっているんだ。
同じ製品でも鉄板の状態やそれぞれに接続されているアンプによってリバーブ効果も違ってくるので4基それぞれ違う特性を持ったリバーブ効果が得られるよう、EMIの技術スタッフによって綿密にカスタマイズされている、まさに伝説のリバーブユニットだ。
エンジニア的には自然な反響音という点で、チャンバー方式の方が好ましいようだけど、ミュージシャン、時代が求めるサウンドは、そう・・・SGT. Pepper’s Lonely Hearts Club Bandな時代へ突入していったもんだから、自然さよりも実験的なサウンドが好まれたんだね。
操作方法
プラグインをインサートしたらダンパーを触ってディケイを好みに合わせよう。
0〜10の11段階で調整が可能だ。
PLATE SELECTORでA~Dの4つから好みのキャラクターのユニットを選ぼう。
もしリバーブ音に低音が出すぎてたり、高音成分が欲しいと思ったら、BASS CUTとTREBLEツマミで調整しよう。
PREDELAYコントロールで元音とリバーブ音の時間的遅れを設定できる。
ガイドラインとして楽器は15msくらい、ボーカルで40msくらいがオススメだそうだ。
その隣のDRY/WETで元音とリバーブ音のバランスが設定できる。
そして最後にDRIVEとANALOGツマミ
この2つのコントロールはアナログ機器特有の、当時は害と思われていた成分を足すことができる。
DRIVEでTHD(高域成分の歪み)ANALOGでハム音とノイズを足すことができるのだ。
両端のフェーダーはインプットとアウトプットのレベルフェーダーだ。
蘇る伝説の名機アビーロードコレクション、まずはAbbey Road Reverb Platesでした!
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